超高齢化社会の日本では2025年に高齢人口が3,600万人超になると予測されているが、今後も国の補助事業などの施策に後押しされ、高齢者施設や住宅が、特に地方では供給過剰になることも予想される。いずれそれらの建物もリノベーションや取壊しが必要になる時が来る。建物のライフサイクル全体で考えた場合もコスト面、環境面で木造ははるかに優位性があるといえる。
これから高齢者施設事業の一つの区切りとして20〜25年を目安とすることで建物を木造建築とすることは大変有効であると考えられる。
(例)特別養護老人ホーム 100床 ショートステイ20床 延べ床面積6,500㎡
※スプリンクラー・エレベーター・施設内の設備機器を含む。厨房・特浴は別途
木造建築物は他の構造体に比べ建物総重量が小さいため、基礎、地盤、工事費を圧縮でき、又工期の短縮につながる。
しかし、木造建築物にすれば何でも安く建てられる訳ではない。特殊な工法や必要以上の大空間を計画してしまうと、割高となり、鉄骨造の方が安くなる場合もある。建築資材は市場流通材を使用する設計が要諦である。