木造による高齢者施設・住宅の建築が注目を集めだしてきた。木造の優位性は入居する高齢者はもとより、そこで働く従業員や事業者などそれぞれの立場に恩恵をもたらす点でも大いに見逃せない。とりわけ2×4工法では2004年(平成16年)に耐火構造の国土交通大臣認定取得がなされ、さらに昨今では、木造利用促進法の施行などもあり、木造建築による大型耐火建築に追い風が吹く状況にあるといっていい。事実、一般社団法人ツーバイフォー建築協会は平成13年4月、わが国における2×4工法による耐火建築物の棟数が実績累計で2,000棟を超えたと発表した。そのなかで「社会福祉施設」は77棟全体から見ると約4%と占める比率は小さいものの、この2年間で34棟と急増している。ただ、一方で木造ならすべてうまくいくわけではない。立地や規模、高齢者施設の類型を見定めたうえで、工法に対して熟知する専門の設計者との間でプロジェクト全体の理念や方向性の共有がなければ、そのメリットを十分に享受できない危険性もある。 建築基準法では木造2階建、延面積3,000㎡以上、または3階建の建築物では耐火建築物となり、それ以下は準耐火建築物に分類される。(耐火指定のほか、首都圏では条例で2階建以上の床面積400㎡以上も耐火建築物となる。)
現在福祉施設の大型木造化は確実に増加しており、今後は低層の施設では主流になっていくと考えられる。このような市場の需要に対し、建築業界全体では、中・大規模木造設計経験のある設計事務所および施工業社の数はまだ少ない状況である。 社会福祉施設や高齢者住宅の設計では公募の対応から補助金申請業務あるいは社会福祉法人の申請まで、又建築基準法だけでなく老人福祉法、介護保険法、ハートビル法等などさまざまな要件があります。建築コストを抑えることは言うまでもありませんが、入居者、職員の動線等運営状況を理解しなければ法人事業者の理念の実現にはつながりません。 20施設等の運営を行い、又豊富な木造高齢者施設・住宅の実績のある太陽コーポレーションです。